わたしの孤独

故郷への帰省。月明かりで街灯のない空が明るい。
こんな夜は、猫が遊びに出かけたくなるわけだ。


ほとんど予定もない故郷での日々は、思い通りの過ごし方だった。
数ヶ月前から「淋しさ」や「孤独」感のようなものが続く理由について、
考えればいくつかこじつけられそうな事はあったけれど、
「この感覚を何とか無くしたい」という気持ちにも違和感があり、
「“孤独”を考える時間があってもいいか」と思いながらの帰省だった。


不思議なことに、少し前に職場の人にたまたま借りた『納棺夫日記』を読んで
宗教(浄土真宗)について興味がわいたのだが、
休暇中にJ氏に借りた田口ランディの『宙返りの練習』が
自分の中での続編のようにつながっていた。
わたしの“孤独”が向かう先につながるような気もしたのだった。


希にみる暑さの中、だらだらしながら家族と過ごせるわたしは孤独ではない。
けれど、ここにいても忙しい日常が戻っても、やっぱりわたしは孤独を感じるだろう。
少しかなしいような気がする。まだ「当たり前だ」と思えない。
そのことを受け容れるのは、今のわたしにはまだむずかしいことのようだ。