世界と自分


自分にとって、とても大きな意味を持つ選択をした。
その瞬間、これまで割と簡単に「自由になりたい」「自由になってほしい」
って言葉を口にしてきたわたしは気づいてしまった。
ああ、あれは本当に望んでいたわけじゃなかったんだな、と。


「自由になる」ってなんてむずかしいことなんだろう。
「自由」じゃない方が楽なことがたくさんある。
だからこれまでの長い間、わたしはそうじゃない生き方を選んできたんだな。


この世界は、なぜこんなにも不条理がまかり通るのかと思いながら
自分自身がその構造の中にすっぽりおさまっていたこと。
それはなぜか自分を「守る」殻のような存在でもあって
そこから抜け出すことが、本当はとても怖かったこと。


<人間を人間として考え 
人間的世界としての 世界への自分の関係を よくよく考えよ>


18歳の誕生日に父が送ってくれたカール・マルクスの言葉。
マルクス主義とかそういうこととはたぶん異なる次元で
長い月日が経った今、わたしに再び送り届けられたメッセージかもしれない。